恋愛倶楽部 -love-
「へへっ、さっき凪兎のお姉さんがプリン食べてる夢見ちゃった」
どんな夢だよ、それ。
「……正夢かもな」
「え、なんで?」
「なんでって……これから俺の家行くからに決まって───」
「え!?
待って、あたしお土産とかないよ」
目を見開いて驚く様子に、つい笑みが零れた。
「別にいいよ。
行く途中で、ミルクティーでも買ってく?」
甘い思い出と苦い思い出が詰まった、あんたの好きなもの。
あんたがミルクティーを好きになったのは、たぶん亜蓮さんの影響だろ?
俺にとっては、過去を蘇らせる厄介なものでしかないけど。
これから、甘い思い出に塗り替えればいいか。
「うん……っていうか。
え?この状況は、なに?」
「見てわかんない?
お姫様抱っ───」
「お.おろして!
恥ずかしいし、しかも道路の真ん中歩くって、いくら車が来ない場所だからって危なすぎるでしょ」
「暴れるなって、落ちるだろ!
だからっ、落ちるって言って───」
謝ったら罰金。
これからは、ゆずゆより俺に科するほうが正解な気がした。
───*END