恋愛倶楽部 -love-



内心ドキドキ、焦り混じりに後退りする。


「そ?じゃあ、ここで留守番してようかな」

「そうしていただけると、助かります」


愛想笑いを向けて、先輩からさらに距離をとった。



長くなった髪。

周りで髪を染め始めても、決して染めなかった黒髪。


前に、亜蓮が黒髪が好きって言ってくれたから。


こんな風に考えてたら、めちゃくちゃ過去引きずってるみたいだけどさ。


巻き髪からストレートに直したのは、一応踏ん切りついたからで。

今は邪魔にならないように、高い位置でポニーテールにしてる。



でも結局、後々考えたら刻んだ胸元の蓮の花は¨亜蓮¨の¨蓮¨を連想させるし。


実際踏ん切りついてんのか、自分でもよくわかんないかも。





………黎緒先輩。




さっき触れられた髪に自分で触れて、先輩を思い出す。


“アレ”がなければ、今頃先輩にハマってたのかな。






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