恋愛倶楽部 -love-
絶対そんなことない。
って、断言しきる自信がなくなってきた。
攻められすぎて。
「…ねぇゆゆ、」
「ん?なに」
ちらっと間近にある風音の顔を見てみれば、ヤバいの一言。
こいつ、自分の可愛さ悪用してるって絶対。
腕に絡めていた手を、今度はあたしの首へと回される。
そのまま抱きつくようにくっついてくると、耳元でそっと声を奏でた。
「好き」
それだけ告げられ、不覚にもドクンと心臓が脈を打つ。
当の本人は、目の前で舌をペロッと出すと意地悪げに微笑んだ。
「風音っ、そういうこと言わないの」
「だって本当のことだもん」
悪びれた様子もなく、再び抱きついてくる風音にもはやため息しか出ない。
返す言葉もみつからず、話題を変えようと牡丹に視線を移したその瞬間───
「きゃあっ」
「…うおっと、あ.危ねー」
ちょうど牡丹が誰かとぶつかるシーンを目撃。
ちゃっかり、ぶつかった相手に倒れそうになったところを助けられていた。