恋愛倶楽部 -love-
「ゆゆにヒドいこと言ったらダメ!」
そうだそうだ。
風音、よく言った。
褒めてやる。
「だいぶ人見知りみたいだね」
怒りを抑えることに必死になっていると、頭上辺りから降ってくる声。
あまりに、びっくりして振り返ると
「いいいいいい.いつからっ!?」
いつからいたのか不明な黎緒先輩。
てっきり、もう帰ったかさっきの場所にいるのかと思ってた。
あたしたちが部室に戻るため歩き始めた時は、まだ近くにいなかったのに。
気配消してたのかな。
予告なしに背後に立たれると、心臓もたないよ。
「いつからって、ずっといたけど」
じゃあ、やっぱりずっと気配殺してそばにいたってこと?
ただあたしが鈍くて存在に気づかなかっただけ?
でも少なくとも、あたしは鈍くないし説得力がないじゃん。
他に考えられるとしたら……瞬間移動とか!?
「蘭さん、百面相のプロだね」
百面相?あたしが?
おいおい、それはとても嬉しくないぞ。
だって表情がコロコロ変わるのは奏斗の担当でしょ。