恋愛倶楽部 -love-
「本伊さんは、この世の終わりみたいな顔してるけど。
それもそれで儚さが出て綺麗だと思うよ」
いや黎緒先輩、それ褒めてんのか、けなしてんのか微妙っす。
でも確かに、間違ってはいない。
儚さアップの牡丹は、美しい度も倍増。
気になるのは
「どうしたー?浮かない顔して」
俯きがちに伏せた瞳。
「私のせいで、怒らせてしまいましたよね」
どうやら、さっきの衝突事故を気にかけているらしい。
別に牡丹だけが悪いわけじゃないと思うのだけれども。
そもそも、初対面で無礼な態度を取る相手が悪い。
今時の高校生は教育がなってないよ、まったく。
しつけろよ保護者!
「べっつに気にすることないって」
「でも……」
ったく、牡丹はお人好しすぎるよ。
あたしなんか殴り飛ばしたいくらいムカついたのに。
「ねね、じゃあさ、さっきの人呼んで謝ったら?」
ピカーンと電球を光らせた風音は、笑顔であたしの真ん前に飛び出る。
「いいんじゃないかな、面白そうだし。
きっと本伊さんも気分が晴れるよ」
ちょっと、そこの賛同者、一部おかしい単語入ってるよね?
面白そうって………。