恋愛倶楽部 -love-
「風音、さっそく明日から恋愛成就がんばろうね」
「え?もうゆゆとボクは結ばれてるよ?」
「結ばれてないから」
ダメだ、風音と話すとツッコミ満載になっちゃう。
この妙な不思議系キャラ、どうにかして。
こんな時に、ツッコミ役がいてくれると助かるんだけどな。
「じゃあ、今すぐ結ぼう?」
「却下」
「えーっ」
ブーブー文句を言いながら、相変わらず袖は掴まれっぱなし。
あたしって、やたらと腕やら袖やらを掴まれる気がする。
そうだな、頻度的に例えるならば、奏斗が髪を引っ張られるくらい。
もしくは、風音がクロネ化するくらい……よりは少ないか。
と、これは置いといて、どう行動するかを考えなければ。
「黎緒先輩っ、あたしに任せといてください!」
決意表明してから
「あ、ゆゆっ!」
叫ぶ風音を振り払って牡丹へと駆けて抱きついたあたし。
その様子を楽しむような眼差しで、黎緒先輩が見ていたことに
「牡丹、明日謝れるといいねっ!」
残念ながら、気づけなかったのが大きなミスだった。
「黎緒先輩…もし、ゆゆを騙してたら殺すよ」
「何のことかな?
蘭さんと違って、ずいぶん心が酷に染まったみたいだね、箕笙くんは」