恋愛倶楽部 -love-
◆ふざけんじゃねー
行動に移そうと思い、彼を探し始めたあたしに神が降臨した。
そなたに機会を与えよう──と。
「ふざけんじゃねー!!」
夕陽に染め上げられた部室に、不釣り合いな絶叫が木霊する。
いや、ここ山じゃないんだけど。
「誰がっ!誰がいつ言った!?」
これまでに聞いたことのないくらいに大きな声の持ち主だ。
もちろん犯人は
「寿羅さん、落ち着いてください」
松永寿羅(マツナガ ジュラ)、牡丹と衝突した男の子。
そう、神はあたしに味方したのだ。
衝突事故の翌日、探し出そうとしていた時に目の前に現れたのは
「まっさか転校して来たのが、こんなガキだったとは。
しかもオレらと同級生、かつ同じクラス」
担任に連れられて教室に入ってきた寿羅だったわけで。
最近、都内の学校から転校してきたらしい。
「ガキで悪かったな、ガキで」
いつにも増して騒音。
そのうち騒音が原因で学校側から部活中止とか言われるんじゃないかな。
「てか、ゆゆ、なんでこんなガキ入部させんだよ」
奏斗が苦情を言ってくるのは仕方ないと思う。
でも、寿羅は牡丹に一目惚れしたんだと思ってたから無理矢理入部させたの。