恋愛倶楽部 -love-
「原因てめーだろ!
他人事みてーな面してんじゃねーぞ!」
うっわ…今度は怒鳴る相手、奏斗からあたしに変更かよ。
まさに目の前の人物は鬼の形相。
「そーだ、そーだ。
原因はゆゆなんだから、どうにかし───いっ、いてっ、痛いって」
オマケの奏斗の反論にイラッとして、思いきり髪を引っ張る。
あたしが原因。
間違ってはいない。
でも黎緒先輩も原因。
なぜ、みんな黎緒先輩を責めない?
なぜ、あたしばかりを悪者にする?
あぁそうか、黎緒先輩はすでに悪者だから悪者にはできないのか。
混乱を始めそうな頭の中で、納得させる答えをひたすら探していると
「寿羅さん、私のせいで迷惑をかけてしまって……本当にごめんなさい」
今にも涙を零しそうな牡丹があたしをかばうように前に出た。
「どうか怒らないで。
私、寿羅さんが入部してくれたらすごく嬉しいです」
そうして、寿羅の片手を両手で包み込むように取る。
「ダメ…ですか?」
まるで澄みきった鈴の音のように、声が紡がれて。
「な……あ…え?」
頬を赤く染めた寿羅に、焦りが見えると
「いいですよね、ありがとうございます。
これから仲良くしましょうね」
焦って相手が喋れないのをいいことに、強制的に物事が運ばれていく。