恋愛倶楽部 -love-



寿羅が牡丹に惚れてるのは、あながち嘘とは言えない気がする。


現に会話途中とか会話後に真っ赤になっちゃってるし。

これって、少しは相手を意識してるって意味含まれてるよね?



「べ.別に赤くなってねーよ」

ふてくされたような口調。


否定するのは構わないけど、全然説得力ないよ?


「耳まで赤くなってるのに?」

可哀想だけど、ちょっとだけ追い詰めてみよう。


これだけ照れ屋な男の子なんて、恋愛倶楽部には珍しいし。

かなり希少価値が高い。

ついでに、いじりがいも兼ね備えている素晴らしさ。



「う.うっせーな、俺は別に照れてなんかねーぞ。
なんも感じちゃいねーからな」


うんうん、知ってる知ってる。

教えてくれなくても、わかるよ。


「照れた上に、恋心でも感じちゃったか」

「だから感じてねーよ!」


ふふふ、ムキになってるの超面白い。

楽しすぎる、どうしよう。



「だいたい恋愛なんかに興味ねーし、ここで何すりゃいいんだよ」

居心地悪そうに髪をぐしゃぐしゃとやりながら唸るような声を出してる。


うーん……そんなこと、あたしに聞かれても困るというか。



「あたし知らないし」

「ふざけんな!」






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