薔薇の花束を



『…ぇっと…あの…』


「今日は帰るよ…またね、星華チャン」



クルッと背を向けて片手を少し上げ、松原サンは駅へと歩いて行ってしまった…


さっきとは違う胸のざわつき…






痛い




胸の奥が…痛い






『…ごめん…な…さぃ』



もう見えなくなった松原サンの後ろ姿…



届く事無い言葉…





せめて気持ちは届いて欲しくて…呟くように囁いた




< 29 / 54 >

この作品をシェア

pagetop