不器用な関係
学校から私の家まで徒歩20分


その間に渉と交わされる会話は少ない


「あいつと仲いいのか?」


「あいつって三神君? 仲いいって普通だと思うけど‥。」


「‥‥‥‥‥。」


こんな感じで会話は終了する


そして、家に着くとぎゅっと抱きしめて渉は帰って行く


手を繋ぐことも抱きしめることも付き合い始めてから儀式のように行われる


そこに気持ちはなくても それが彼氏彼女には最低限必要だと言わんばかりに


夏休みまであと一週間
季節はもう夏を目前にしていた


渉の高校最後の試合があるのもこの夏


夏が終わったら、きっと この関係も終わる


そんな漠然とした予感を感じ始めていた



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