不器用な関係

彼氏から先輩へ

念願叶って、葉月が彼女になってくれたものの
幸せすぎて、俺は自分自身を見失いかけていた







―そう、葉月の前では情けないほどヘタレな俺―





気が付いたのは、葉月を家まで送ると言った後


ドキドキしすぎて 何を話していいか分からないという有様


携帯番号も聞き忘れた俺は、唯一俺のヘタレ具合を知っている巧に救いを求めた


家に帰る前に巧の家に上がり込んだ


「助けろ! 巧!」


巧の部屋の扉を勢いよく開け放つと、ちょうど彼女と電話中で一気に不機嫌さをあらわにした


「ごめん、弥生。傷心の渉を慰めてからまたかけ直すな。」


彼女には甘い声をだす親友に鳥肌をたたせながらも、俺は巧のベッドに腰掛けた


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