不器用な関係
私と渉
冴嶋渉とは名目上は“彼氏と彼女”
でも、実際の所はその名を演じているそれだけの関係
先輩、後輩という関係と中味は何ら変わりがない
だから、渉は私を選んだ
それに気がついたのは、渉に告白されて間もなくだった
“どうして私?”
不思議でならなかった疑問も、物事を深く追求しない私の怠惰な性格から 渉に問いかけることはしなかった
中学からの唯一の親友である渡貫 亜美には
「冴嶋先輩も危機感をもったんだねぇ。私の予想だともう少し後かと思った。」
なんて訳のわからないコメントをもらい
部活の先輩からは多少のやっかみはあったものの 渉と付き合うことを認めてくれた
「葉月ならしょうがない。諦めもつくわ。」
渉と私はお互いバスケ部 部内で付き合うのだから 噂は一気に広まり、知らぬまに“公認”されていた
そう、渉は“公認”という存在が欲しかったんだ
都合がいいことに、私は “私のこと好き?”
“メールも電話も毎日してね”
なんて可愛い女の子要素が一つもなかった
隣のコートで練習する渉に熱い視線をおくるだとか考えにもおよばなかった
冴嶋渉とは名目上は“彼氏と彼女”
でも、実際の所はその名を演じているそれだけの関係
先輩、後輩という関係と中味は何ら変わりがない
だから、渉は私を選んだ
それに気がついたのは、渉に告白されて間もなくだった
“どうして私?”
不思議でならなかった疑問も、物事を深く追求しない私の怠惰な性格から 渉に問いかけることはしなかった
中学からの唯一の親友である渡貫 亜美には
「冴嶋先輩も危機感をもったんだねぇ。私の予想だともう少し後かと思った。」
なんて訳のわからないコメントをもらい
部活の先輩からは多少のやっかみはあったものの 渉と付き合うことを認めてくれた
「葉月ならしょうがない。諦めもつくわ。」
渉と私はお互いバスケ部 部内で付き合うのだから 噂は一気に広まり、知らぬまに“公認”されていた
そう、渉は“公認”という存在が欲しかったんだ
都合がいいことに、私は “私のこと好き?”
“メールも電話も毎日してね”
なんて可愛い女の子要素が一つもなかった
隣のコートで練習する渉に熱い視線をおくるだとか考えにもおよばなかった