不器用な関係
決定的な出来事はGWに行われた2泊3日の合宿


練習後に自主練をしようと体育館に向かっていた

“ダム ダム”
ボールの音が体育館に響いていて、私は換気用の小窓から体育館を覗いた


体育館にいたのは、渉と橋元先輩


盗み聞きする気はなかったけど、橋元先輩の口から私の名前が出て来て 小窓から離れることができなかった


「葉月ちゃんと付き合ってるなんて、ほんと信じらんねぇよな。」


「‥お前には関係ねぇだろ。」


「まぁ、そのおかげで 渉を見に来るギャラリーも減って 練習はスムーズになったけどな~。
でも、葉月ちゃんは知ってんの? お前の気持ち。」


「………知るはずないだろ。」


「ははは、だよな~。
言えるわけねぇよな。
ほんとは好きなんかじゃないなんて。
だって――――――」


私にとって、渉と橋元先輩の話しはそれ程衝撃的ではなかった


“あぁ、やっぱり”


それが私の感想


二人の話しを聞いた後に体育館に入る気は無くなり、私は合宿所に戻った



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