君の笑顔を照らした花火
おばさんは台所に行って、僕達にジュースを持って来てくれた。



「ほら、美雪。こっちに座って?」

おばさんがそう言うと、やっと美雪は僕から離れて言われたイスに座った。



「僚二くんも座って」

「あっ、はい」

僕も返事をして、座った。



おばさんが優しい笑顔で、美雪の頭を何度も何度も撫でていた。



「怖かったね? でもね、怖がらなくていいんだよ? ほら、みんな、あんなに楽しそうでしょ?」



頭を撫でられながら、ジーっとおばさんを見て、話を聞いていた美雪。

その後、ゆっくりと外で楽しそうに花火をしているみんなを見た。

そのまま無言で、美雪はみんなの様子を見続けていた。



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