君の笑顔を照らした花火
「僚二くん、ジュース、飲んでね?」

「はい。ありがとうございます」



おばさんの言葉に、僕はそう返事をしてから、ジュースを飲んだ。

すると、美雪が僕の方へ視線を変えた。



ん? どうしたんだ?



「あのね、僚二くん」

「どうした?」

「花火……楽しい?」



えっ?



「花火って、楽しい?」

再び、美雪は訊いた。



「楽しいよ。いろんな色の光がキラキラして、見てるとキレイなんだ。……やってみる?」



さっきの様子で不安だったけど、そう訊いてみると、美雪は唇を噛み締めながらも、コクンと頷いた。

チラッとおばさんを見たけど、おばさんも僕を見て頷いたので、僕は席を立って美雪の手を取って外に出た。


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