君の笑顔を照らした花火
美雪の様子は変わりなく、パチパチと輝く光を見ていた。



その光が消えると。

「やってみる」

そう言って、美雪が手を伸ばした。



僕は1本取って、美雪に渡した。

火を点けてあげようとした時、一瞬だけ、ピクッとしたけど、その後はいつもと変わり無かった。



ジーっと、自分の手の下で光る花火を見る美雪。

光りが消えると、僕を見た。



「もう1本?」

僕の問いに、コクンと頷く。



さっきと同じように1本渡して、火を点けてあげた。

僕は真剣に線香花火を持っている美雪を見ていた。

< 14 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop