君の笑顔を照らした花火
「ただいま~」

真佐志が玄関の鍵を開け、中に美雪の靴があるのを確認してからそう言った。



「お帰りなさ~い」

姿は見えないけど、奥の方から美雪の声がした。



「お邪魔しまーす」

俺がそう言って上がると。



「僚二!」

遠くで俺を呼ぶ声がした後、『ダダダッ』と走って来る足音がした。

そして、久し振りに美雪に会えた。



美雪は嬉しそうに走って来た筈なのに、俺の姿を見ると、ピタッと立ち止まった。

驚いた表情で、俺をジーっと見ていた。



「よっ」

俺は軽く手を挙げて、挨拶した。



すると、美雪はハッとしてから、同じように手を挙げた。

「あの、お兄ちゃんの部屋だよね? ジュース持って行くよ」

美雪は何故か慌てたように、俺達の前から姿を消した。

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