君の笑顔を照らした花火
一時的なものだと思いつつも気になったので、真佐志と一緒に帰れる日には、真佐志の家に寄るようにした。

でも。

美雪はなんだか俺を避けているようで、挨拶はするけど、以前のように積極的に絡んで来てくれなかった。



『好きな男の子でも出来て、兄離れしたんじゃないのかぁ?』なんて、実の兄である真佐志は言ってたけど……。

その言葉に俺の心の中で、得体の知れないモヤモヤが広がり始めた。



好きな男の子?

兄離れ?



俺……美雪の『兄』じゃないぞ!

ずっと『妹的存在』と思っていた筈なのに、それに違和感があるのは、何故なんだろう?



そんなスッキリしない気持ちを抱えたまま、中1の夏休みになった。



昔みたいに、真佐志の家で花火をする事になった。

とは言え、さすがにもうみんなの家族も一緒と言う訳ではなく、俺と弥生だけがお邪魔して、勉強会のついでに花火をするだけなんだけど……。



美雪も一緒にすると聞いていたので、最近あまり話していなかったから、俺はちょっとソワソワしていた。

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