君の笑顔を照らした花火
夕方少し早めに弥生と一緒に真佐志の家に行き、先に夏休みの宿題を3人でして、暗くなり始めるのを待った。

夕食をご馳走になってから、庭で花火をする準備をした。



美雪は、一見、普通そう。

でも。

俺とはあまり話してくれない。



いざ花火を始めると、初めて美雪が花火をした時の事を思い出した。



怖がって俺の後ろに隠れていた、幼かった頃の美雪。

今はそんな素振りも無く、普通にいろんな花火を楽しんでいる美雪。



もう、俺を頼ってはくれないのか?

もう、そんな楽しそうな笑顔を、俺に向けてくれないのか?



俺はなんだか花火をする気分じゃなくなって、輪から外れて家の方へ戻ろうとした。



「僚二!」



えっ?

美雪に呼ばれた気がして驚いて振り向くと、幻聴ではなく、そこには美雪が居た。

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