君の笑顔を照らした花火
俺が冷蔵庫を開けて、ジュースを取り出すと、お母さんがすぐ近くでニコニコと俺を見ていた。

グラスにジュースを注いで準備をしている間も、お母さんは無言のまま、ニコニコしている。



「何? さっきからニコニコしてるけど」

「嬉しいの」

「えっ? 何が?」

「僚二に可愛い彼女が出来るのかなぁ、って思って」



ビクッ

思わず、体が固まった。

なんで、そんな事……。



「邪魔しないから、頑張ってね~」

お母さんはニコニコしたまま、そう言い残すとリビングの方へ姿を消した。



俺の行動が、バレバレ?

これで今日、告白出来なかったら、根性無しだよなぁ……。



俺は気を取り直して、美雪が待っている自分の部屋へ向かった。

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