君の笑顔を照らした花火
「義理チョコなら欲しくない」



美雪は悲しげな顔で俺を見ていたけど、その言葉で俯いた。

俺は続けて言った。



「本命チョコなら受け取るけど……どっち?」



ピクッと体を振るわせ、美雪が恐る恐る顔を上げた。



「あの……僚二?」

美雪は、意味が理解出来ていないようだった。



「他のみんなと一緒じゃ嫌なんだ。俺は美雪のたった1つの『本命チョコ』が欲しいんだ」



分かってくれたかな?

美雪の特別な存在になりたいんだ。



美雪は驚いた表情で、自分が持っているチョコと俺の顔を、2~3回交互に見た。

どうやら、意味は分かったみたいだ。

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