君の笑顔を照らした花火
美雪の事を知らない涼兄だから、俺は素直に話した。



「可愛いよ? 見た目だけじゃなくて、性格も。すぐ人の気持ちを考えて、優しいし……なんでもやり始めたら最後まで諦めない頑張り屋だし……でも、ちょっと負けず嫌いで気の強いところもあるんだ」



話していたら、美雪のいろいろな表情が浮かんできた。

でも。

どうしても、初めて花火をした時の、火を怖がって震えていた美雪が忘れられない。



「守ってやりたくなる」

ううん、違う。



「これからは、俺が傍に居て、守ってやるんだ」



俺の言葉に、涼兄は優しい笑顔で『うんうん』と言う感じに、軽く頷いていた。



   ☆   ☆   ☆


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