君の笑顔を照らした花火
途中で水着に着替え、美雪を探しながら砂浜を歩いていると、約束の時間より早いのに、美雪が暇そうに砂をいじりながら、ボーっと俺達を待っていた。

俺は静かに近付き、美雪の後ろから手で目隠しをした。



「だーれーだー」

「もうっ、その声は僚二でしょ?」

「分かった?」



俺は手を離して、美雪の横にしゃがみ込んだ。



「もう。分かるに決まってるじゃない」

ちょっとハニカみながらそう言う美雪を見て、嬉しくなる。



「俺の声、だもんなぁ♪」

嬉し過ぎて、俺がポロッとそう言うと、美雪の顔が真っ赤になった。



「おっ、照れちゃって……可愛いな、美雪は」

あんまり可愛過ぎて、俺は美雪の髪を、クシャクシャっと撫でた。

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