君の笑顔を照らした花火
少し離れてその様子を見ている、僕と美雪。



「僚二くん、いいよ、行って来て」

「えっ?」

「1人で大丈夫だもん」



『大丈夫』って言っている美雪の顔は、不安で今にも泣き出しそうで、全然『大丈夫』じゃなかった。



思わず、クスッと笑ってしまう。



自分のせいで、僕が花火を出来ないと思ったんだ。

優しいんだなぁ。



僕は気が付いたら、僕の服を掴んでいた美雪の手を、ギュッと握っていた。



「大丈夫。花火は怖くないよ? みんなの見てて『出来る』と思ったら、後で一緒にしよう?」


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