ツナ&エマ〜カレーなる日曜日〜
人前で泣く、なんて
滅多にしないくせに。
俺の前で泣いたの
まだ片手で数えられるくらいだし。
「もっと甘えればいいじゃん。
もっとワガママ言えばいいじゃん。
俺、お前の旦那だよ?
そんなに俺って頼りない?」
俺の胸の中で首を振るユマ。
キュンキュン。
もうっ
なんでこんなに可愛いかなぁっ!
「ごめん…私、ダメダメで」
「ごめん…俺もグダグダで」
顔を見合わせる。
どちらともなく微笑んで、
優しいキスをした――。
ユマがこんなに素直になって
色々話してくれるのが嬉しかった。
しかもさ、何年振り?
ってくらい久しぶりに手を繋いで
ゆっくりゆっくり旅館に戻った。
旅館に着くころには、もう空は晴れてて
綺麗な星空が見えた。
その日は、二人で並んで眠った。
手は、繋いだままで。
ねぇユマ。
たまにはこうして
二人で素直になる時間を作ろうな。
そして二人…いや、家族5人で
また綺麗な夜景と星空を見よう。