ツナ&エマ〜カレーなる日曜日〜
「無くなったのに気付いたのは?」
アキは鼻を啜り、
声を詰まらせながら答えた。
「えっと…ズズっ、
確か風邪気味の…ユズトくんに…グスっ
鍋焼きうどん作ってあげてすぐだから…」
「つまり何時頃なの?」
「多分、2時頃だよ。
午後のワ○ド劇場がぁ〜!って言った後
アキの叫び声が聞こえてきたんだ」
最初っからユズトくんに聞けばよかった。
私は手に持ったメモ帳に
“紛失に気付いたのは2時頃”
“発見者は小池 アキ”
と書き入れた。
「盗まれた?それとも置き忘れた?」
「あたしがあの大事なティアラと
ブレスレットを置き忘れるはずない!」
「てゆうか、いつもその戸棚に置いてて
動かさなかったから…無くなったのも
一体いつなのか正確な時間は分からない」
なるほど……。
確かに、あの時のアキは
羨ましくなるほど嬉しそうだったしなぁ…
あんな大事なモノを
置き忘れるなんてしないわよね。