左回りの時計
白紙の本とぼく
one:ぼくの日常
小さな小さな男の子。
沢山の本に囲まれて、嬉しそうに本を読んでいる。
笑顔を零したり、泣きそうな瞳をしたり、困ってみたり。
だけどその本にはどのページにも絵がないの。
表紙もタイトルもつけられていない革の本。
男の子はその本のいつも同じページの同じトコロを読んでいます、何度も何度も声を出して…。
‐ねぇ、どうしてキミは左回りの時計を持っているの?‐
‐だって時間が進んじゃったら…‐
‐時間が進んじゃったら、何かあるの?‐
‐キミがボクらを忘れてしまうから‐
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