大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜
「何か、悪かったな。遅くまで引き止めて」
宏稀のお母さんがしごとに行ってから私たちは
他愛ない話をして、気が付けばお昼前になっていたのだった。
「うぅん、あたしこそごめんね。本来なら
もっといれるんだけど、夕方までに帰らないと
親、帰ってきちゃうし、うるさいからさ。」
あたしがそういうと、宏稀は微笑みながら
また、塾で。と言ってくれた。
宏稀は駅まで送ってくれると言ったのだが
悪い気がして断ったのだった。