大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜
「そういえば、彼氏出来たんだって?」
今まで黙々と作業をしていた彼が
いきなり話しかけて来た。
「え?」
「彼氏。できたらしいじゃん?」
「あぁ、うん。」
「優しいの?」
「うん。」
「ならよかった。俺、美穂に
優しく出来なかったからな。」
「あたしの事嫌いだったんじゃないの?」
「ちげーよ。俺、あの頃は美穂が羨ましかったんだ。
あの時期、ちょうど新しいキャプテンになって、
だけどうまく行かなくて、
そこに追い打ちをかけるかのように
学級委員になって、成績は下がる一方で。
だけど同じ状況にいた美穂は
しっかりとチームをまとめて、
成績も右肩あがりで。
だから俺のプライドが
許さなかったんだと思うんだ。
これ、部活終わったから言える話。」