大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜
「美穂、来んの遅かったじゃん。」
あたしが塾でいつも一緒にいる
枝里があたしに話し掛けてきた。
「んー、ご飯食べ終わる時間が
遅かったから〜。」
あたしはそういって枝里の
後ろの席に座った。
「そおいや、有紀は?」
有紀の姿が見えなかったから
あたしは枝里に聞いた。
「なんか、遅れてくるって。」
有紀っていうのはあたしと枝里が
一緒にいる塾の友達の1人。
「そおいや、美穂の隣と後ろに
新しい人が入ってくるんだってよ。」
枝里は情報が早く
いつも塾の情報をいち早く
教えてくれる。
「へー。この時期に入ってくるなんて
珍しいじゃん。」
あたしはそういって枝里の話に
食いついた。
「男?女?」
あたしが聞くと嬉しそうに
「男〜」
って枝里が答えた。