大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜
「あ、そうだ、宏稀。
この前の話なんだけど。」
あたしがそう切り出すと
宏稀は顔を真っ赤にして
なに?って聞いてきた。
「あたし、全然思い出せないの。
宏稀のこと。よかったら教えて
くれない?家族に聞いても、みんな
なんか隠してるみたいで。」
あたしは塾に来る前、両親に
宏稀の事を聞いたのだが
なぜか焦っている様子で
知らないと言われてしまった。
「・・・・そっか、まじで
俺のこと覚えてないんか。」
宏稀はそういって、
悲しげな表情を見せた。
「・・・・あのな、」
宏稀が言いかけたとき
先生が入ってきてしまった。