大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜

「ただいま〜。」
宏稀はあたしと勇斗しか
いなくなった教室を
開けてずかずかと
入ってきた。

「ひーくん!何処行ってたんだよ!」
勇斗は心配そうに宏稀に聞いた。

「雄大さんとこ!」
宏稀はそういうと帰る仕度を始めた。

「ひーくん。」
あたしは宏稀に声をかけた。

「・・・・美穂、」

「ひーくんって宏稀だったんだね?
ごめんね、今まで忘れてて。
宏稀、ごめんね?
あたしだけ忘れたりして。
宏稀はあたしを忘れないで
いてくれたのに。ごめんね?
あたし、思い出したんだ。
ひーくん。助けてくれて
ありがとう。宏稀、あたしも
宏稀が好き。」

あたしは泣きじゃくって
宏稀に思いを伝えた。

「お前、思い出すの遅すぎ。
忘れてんなよ。

やっと届いたんだ。
みー好きだよ。」

宏稀はそういうと
あたしの涙を舐めて
キスをしてくれた。


しょっぱいしょっぱい
涙のキスだった。


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