大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜
何分泣いただろう。
あたしは勇斗の胸で泣いていることに
この時気付いた。
「ごめっ・・・」
あたしが離れると勇斗は
「んーん、大丈夫。これ、使って?」
そういってタオルを貸してくれた。
「ありがとっっ。」
あたしはそういって涙を拭いた。
「あのね、実は怖かったの。」
あたしが話しはじめると勇斗は
あたしのことをしっかり見つめながら
聞いてくれた。
「うん、続けて?」
「実はね、あたし宏稀に黙ってる事があってね、キス10回はしたって言ったけどホントはもっとしてるし、その先のことも、ホントはしたの。でも、ホントのこと言ったら宏稀に軽蔑されるんじゃないかって思ってね?だって、あたしまだ15だよ?軽い女だなって思われるんじゃないかって思ったの。それにキスされたとき、宏稀が怖かった。別人みたいで、ものすごく怖かった。
あたし、正直言うと人を本気で好きになるのが怖い。心許して、体も委ねちゃったら前みたいに自然消滅みたいになっちゃうんじゃないかって。宏稀はそんな人じゃないって頭では分かってるつもりなのに、ダメなの。あたし、最低だよね。」