大嫌いでも大好き 〜愛しの柴ハゲくん〜
「・・・・・でも、
ただ、逃げたかっただけなんだ。
美穂からも、自分からも・・・・。」
宏稀はそう呟いて、俯いた。
「・・・・・・あたし、あの日のこと
もう、何とも思ってないの。
もう、平気だよ?あの時はただ、
心の準備だって出来てなかったし、
宏稀の気持ちも、考えずに
あんな洋服の着方してた。
あの時、宏稀が怖くて別人に見えて
結局元カレと同じなんだって
思ってたの。
でも、さっき勇斗にその話したら
それはあたしが悪いって言われたの。
そんな無防備な格好してたら
羊男も狼狼になるよって。
あたしが大丈夫って思って信頼してて
そんな無防備な格好してたのかも知れないけど
俺だってあたしに欲情しちゃうよって・・・
だから、あたしが悪かったの。
ごめんね・・・?」
あたしは素直な気持ちを宏稀に伝えた。