a square
「死~ぬ~……」
私は汗を拭いながら、体育館を春と出た。
ちなみに、今日は走り幅跳びだった。私の最高記録は95センチ。
「だーから、言ったじゃん」
笑いながら春が言う。
「お茶くれなかったくせに……!」
「だって緑茶だよ? あんた飲めないでしょ?」
「今なら泥水でも飲める気がする……」
「じゃああれ飲んできなさいよ」
春が指差す先には、昨日の雨で出来たのであろう水溜り。
「春、物のたとえだよ」
「わーかってるって」
体育館シューズ片手に、春は私の肩を叩く。
「ちょ、うわ!」
フラフラだった私はこけそうになって、前の人の服をつかんでしまった。
しかも男子。しかもゼッケンには、でかでかと「遠藤」と……。尚夏の姿が見えないのが、唯一の救い。
しかし、そう思ったのもつかの間。気付けば、私とキヨは転んでいた。ひじを強打して泣きそうな程に痛い。
「……お前何してんの」
キヨが振り向いて訊く。ちなみに、キヨは今私の前で座り込んでいるような状態である。この体制でこけたなら、尻餅ついたんだろうな……すまん。
「……キヨは知らなくていいことさ」
「人こかしといてそれはねーだろ! 手ェジンジンするんだけど」
「ご、ごめん……事故、事故です」
私が言うと、キヨは「ったく…」と立ち上がる。
そして、私の方に向き直って、
「大丈夫かよ」
と、手を差し出す。
その手をとって、私は立ち上がった。
「いやー、ごめんごめん。つい道連れが欲しくなって」
「いやな言い方するなよ、お前」
キヨが呆れて笑う。
「おい清太、先行くぞー」と男子に言われて、キヨは、「じゃあな」と慌てて去っていった。
私は汗を拭いながら、体育館を春と出た。
ちなみに、今日は走り幅跳びだった。私の最高記録は95センチ。
「だーから、言ったじゃん」
笑いながら春が言う。
「お茶くれなかったくせに……!」
「だって緑茶だよ? あんた飲めないでしょ?」
「今なら泥水でも飲める気がする……」
「じゃああれ飲んできなさいよ」
春が指差す先には、昨日の雨で出来たのであろう水溜り。
「春、物のたとえだよ」
「わーかってるって」
体育館シューズ片手に、春は私の肩を叩く。
「ちょ、うわ!」
フラフラだった私はこけそうになって、前の人の服をつかんでしまった。
しかも男子。しかもゼッケンには、でかでかと「遠藤」と……。尚夏の姿が見えないのが、唯一の救い。
しかし、そう思ったのもつかの間。気付けば、私とキヨは転んでいた。ひじを強打して泣きそうな程に痛い。
「……お前何してんの」
キヨが振り向いて訊く。ちなみに、キヨは今私の前で座り込んでいるような状態である。この体制でこけたなら、尻餅ついたんだろうな……すまん。
「……キヨは知らなくていいことさ」
「人こかしといてそれはねーだろ! 手ェジンジンするんだけど」
「ご、ごめん……事故、事故です」
私が言うと、キヨは「ったく…」と立ち上がる。
そして、私の方に向き直って、
「大丈夫かよ」
と、手を差し出す。
その手をとって、私は立ち上がった。
「いやー、ごめんごめん。つい道連れが欲しくなって」
「いやな言い方するなよ、お前」
キヨが呆れて笑う。
「おい清太、先行くぞー」と男子に言われて、キヨは、「じゃあな」と慌てて去っていった。