「呼吸」
呼吸
ある早朝、僕は目を覚ました。
少し冷たい空気と薄暗い闇。
どうやらまだ、
夜は明けていないらしい。
病院独特の臭いが鼻を掠める。
僕は起き上がる事の出来ない体を傾かせながら、頭上にある窓のカーテンを開けてみた。
窓の外は「黒」。
やっぱり真っ暗だ。そう呟いて、僕は再び体をベッドに戻した。
僕が自分の力で起き上がる事が出来なくなってから一体どれくらい経つのだろう。
周囲からすると、それ程時間は経っていないかもしれない。
だけど僕にすれば、君と一緒に歩けなくなった時間は、とても大きく感じられた。
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