「呼吸」



日に日に彼女は痩せていく。
口には出さないが、疲れているのだろう。


そんな彼女を見ると胸が締め付けられる。
僕が幸せにするはずだった彼女が今、僕のせいで苦しんでいる。僕のせいで泣いている。


僕の前では泣かないが、影で泣いている事は知っている。


余命を告げられた時も、
僕には「絶対に助かる」と言っていたが彼女も解っているのだろう。
僕はもう、そんなに長くないという事がー…


僕自身も感じている。もう長くはないだろう。徐々に、けれども確実に、弱り衰えていく僕の心臓。



呼吸も深くは吸い込めない。



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