「呼吸」




周囲が少し明るくなった。
きっと夜が明けるのだろう。


未だ続く胸騒ぎ。
止まりはしない。


何が起こるのだろう、もし君に何かあれば…そう考えるだけで恐怖に包まれる。

陽が登り始めた、その時。



「ドクン」

心臓が声を上げた。



瞬時に窒息感が僕を襲う。視界が霞んで、はっきりしない。

ナースコール…そう思ってボタンに手を伸ばすが、起き上がる事の出来ない僕の体では、届かない。



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