「呼吸」




限りなく腕を伸ばしてみる。後数センチだ。もう少し…と思った矢先、体全体の力が抜けた。

嗚呼、畜生…届かない。



朦朧とした意識の中で、
最後に君を想う。

せめて最後くらい、
君の顔を見たかった。
君の手を、肌を、温度を、
全ての君を感じてみたかった。


叶わぬ夢よ、と誰かが笑う。


周囲がかなり明るくなってきた。太陽の温度を感じる。温かい。


嗚呼、嗚呼、嗚呼…。














(さよなら)


















「ピー………。」

















3日後、君は涙ながらに
僕へ百合の花を添える。



▽ end.


< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

異 常 嗜 好 。

総文字数/15,844

恋愛(その他)90ページ

表紙を見る
黒 猫 的 連 鎖 愛 。

総文字数/2,877

恋愛(その他)11ページ

表紙を見る
「呼吸」the 2nd chapter, -halcyon-

総文字数/3,970

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop