セナの冒険
『だから、お前がやるしかないんだ!お前しか、ふたつの世界を救える奴はいないんだよ』
でも、私に何が出来るの!?
ごく普通の女子高生だし、魔王を倒すなんて出来ない!
時の女神を救いに行くために、魔王城に乗り込む勇気なんて無い!
『お前な……私だって、出来ない奴にこんなことを頼みはしない。お前、その左腕にはめてる腕輪…見てみろ』
私は、左手首につけてる腕輪を見た。
施設で拾われた頃からなぜか持ってる腕輪。
これが…何?
『その腕輪に、5つの丸い窪みがあるのに、何も付いてないことに疑問はなかったか?』
あ…
一回だけ、思ったことある。
ただの金色の冴えない腕輪。
何か付いてた跡はあるのに、何で付いてないんだろう。
付いてたら綺麗なのにな、って。