セナの冒険






「あ?何か言ったか?」



「いいえ、何でもないわ。私はもう時間がないから行くわね。あ、そうそう、これ」



女性はロイドに近付き、両手が塞がってるロイドのズボンのポケットに封筒を捩込む。



「そんなかわいい彼女がいるなら、もう心配はいらないわね。それじゃ今度こそ行くわ。またね」



「ああ…またな」




誰だったんだろう、あの人…。



無言で女性の後ろ姿を見送るロイドに、私は何も言えずただ黙っていた。














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