セナの冒険
「ロイドには世話になりっぱなしだし……少しは力になりたいよ」
俺の背中に回した腕に、少し力が入る。
「ねぇ……」
「セナ…」
セナの心から俺を思う気持ちが伝わって来て、また視界が滲んだ。
こいつになら、話せる。
いや、そうじゃなくて話したい。
聞いて欲しい。
俺の弱いところ全部、受け止めて欲しい。
信じれる。心から。
弱音を吐くのは、これっきり。
だから、今だけ…
いいよな?
なぁ、母さん。