セナの冒険
「…そうですけど、何か?」
私は振り向きざまに嫌味ったらしく答える。
…って、何この美少年!!
いや、美少年って言っても、私と同じか多分年上なんだけど…。
私の後ろには、何とも言えない今日の空と同じ水色の髪を持ち、綺麗な碧い瞳をした美少年が立っていた。
身長は…175ぐらいかな?
「いや、あいつ…ずっとあんたの後ついてまわってるみたいだけど。気付いてないみたいだから、言っておこうと思って」
「あいつ…?」
美少年の視線の先を見ると、太った眼鏡の中年親父がこっちを見てる……。
しかも私と目が合った途端、どこかへ走り去って行った。
「…なんなの、あの人…」
「行ったみたいだからよかったけど、気をつけろよ。あんた隙多過ぎ」
「え」
気付くと、私の眉間に美少年の人差し指が、とん、と突かれていた。