セナの冒険
「…あ、ここ!家、ここ」
気が付くとロイドのマンションの前まで来ていた。
「そういえば、旅人なのに家があるんだな。ここあんたの家か?随分高級そうだけど」
「え!?いや、それは…あはは」
そっか…
旅人には、家ないよね。
あったとしても、こんな高級住宅…。
でもロイドの家なんて、何となく言いづらいしなぁ。
「まあいいか。じゃあ俺行くから」
「あっ…ちょっと待って!」
私は去って行こうとする後ろ姿を呼び止めた。
「名前、名前何!?」
「アイク。あんたは?」
「私、セナ!送ってくれてありがとう!」
「いや…。じゃ、また会えるといいな、セナ」
「うん!」
私は手を振りながら、見えなくなるまでアイクの後ろ姿を見送った。
アイクか…。
もう会えないかな…。
また会いたいなぁ。