セナの冒険
「ロイド、ありがとね」
私はロイドの背中にしがみつきながら言った。
「何がだ?」
「アイクを家へ呼ぶこと」
「ああ」
「二人で見つめ合ってたとき、心を読んでたの?」
「まぁな。なかなか信頼できそうな男だ。ちょっと読み取れない所もあったけどな」
「読み取れないとこ…?」
「ああ。……お前、アイクをやけに気にかけるじゃねぇか」
「え!?そ、そんなことないよ?」
「ふーん…………まぁ別にいいけど、忘れんなよ」
「忘れる?何を?」
「お前は俺のモンなんだからな。誰にも渡さねぇぞ?」
「はぁ!?」
「ははっ!」
相変わらず、ロイドが冗談で言ってんのか本気なのかよくわかんない!
「言っとくけど、本気だからな」
「…………」
…私の考えてること筒抜け?
さっきから顔が真っ赤で、心臓ドッキドッキしてるし!
と、と、ときめくって……
こういうこと!?
やばい、これも筒抜け!?
ロイドがクスクス笑ってる…!
その後家に着くまで私は、なるべく平常心を保とうと一言も発する事はなかった。