セナの冒険
「ご…ごめん!事情はあとで説明するから!」
「まあいいよ。正直怪しいと思ってたしな」
アイクはフッと微笑する。
怪しいって……
「じゃ、お邪魔させていただくか」
そう言いながら私の横を通り抜け、早速ソファーに身を埋めた。
「茶、持ってきたぜ。俺の特製だ」
私も向かいのソファーに身を埋め、暫くするとロイドが人数分のコップを持って来た。
…これがお茶!?
湯気の立つコップを覗くと、薄紫色のお湯に花びらがひとひら浮かんでる。
紅茶みたいなもの?
「頂きます……あ、おいしいっ」
「当たり前だろ?なにしろ特製だからな」
ほんと、おいしい。
落ち着くような不思議な味…。
「宿に出したら良いかも!作り方、教えてもらえないかしら」
サーシャは本当、仕事熱心だな…。
見習いたいぐらい。
「ああ、いいぜ。でも後でな。今はそのフローゼアの話とやらだ」
「そうね」
サーシャはグラスをテーブルに置き、口を開いた。