セナの冒険





そう、ロイドはあのお母さんの一件以来、初めて会った時の様にヘアバンドで左目を隠してない。



今まではコンプレックスでしか無かった、魔族である父親譲りの金色の瞳に、誰が何を言おうと誇りを持つ事にしたんだって。



でもさ、あーんなに綺麗な瞳だもん。
見せなきゃ損ってもんでしょ!



それにしても、サーシャが魔族を嫌う人間じゃなくて本当に良かった。


アイクもきっと、ロイドはロイドとして見てるんだろうな。
もちろんカズキも。



ロイドをロイドとしてじゃなく、禁忌を犯した者として見る人だって少なくないもんね、きっと。

ロイドも、ロイドのお母さんもお父さんも、誰も悪くないのにね…。






「支度、終わったわ。リビング行きましょ?多分皆もとっくに終わってるわね」



「うん」



リビングに行くと、3人共とっくの昔に支度を終えたらしく、おせぇおせぇと文句を吐いていた。(もちろん、主にカズキとロイド)



シェリアをゾーラさんの所へ帰らせ、そのままティーノとティロルも連れ、私達一行はロイドの家を後にした。









< 189 / 299 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop