セナの冒険
そう、ロイドはあのお母さんの一件以来、初めて会った時の様にヘアバンドで左目を隠してない。
今まではコンプレックスでしか無かった、魔族である父親譲りの金色の瞳に、誰が何を言おうと誇りを持つ事にしたんだって。
でもさ、あーんなに綺麗な瞳だもん。
見せなきゃ損ってもんでしょ!
それにしても、サーシャが魔族を嫌う人間じゃなくて本当に良かった。
アイクもきっと、ロイドはロイドとして見てるんだろうな。
もちろんカズキも。
ロイドをロイドとしてじゃなく、禁忌を犯した者として見る人だって少なくないもんね、きっと。
ロイドも、ロイドのお母さんもお父さんも、誰も悪くないのにね…。
「支度、終わったわ。リビング行きましょ?多分皆もとっくに終わってるわね」
「うん」
リビングに行くと、3人共とっくの昔に支度を終えたらしく、おせぇおせぇと文句を吐いていた。(もちろん、主にカズキとロイド)
シェリアをゾーラさんの所へ帰らせ、そのままティーノとティロルも連れ、私達一行はロイドの家を後にした。