セナの冒険




書庫は私とサーシャのベッドルームの隣で、部屋の中は埃っぽさと、独特な図書館の匂いで充満していた。



うわお………
すごい本の数!



本棚自体はそんなに多く並んでるわけじゃないけど、棚にはぎっちり本が詰まっていて、今にも溢れ出しそう。



「…どれ読もうかな…」



部屋の中を徘徊して探し回っても、難しそうな本ばっかりで、何故か簡単な言葉しか読めない私には到底無理そうなものばかりだった。



今更だけど、やっぱり私達の世界の言葉ってゆーか、日本語とこっちの言葉は違うらしく、ロイドに教えられて少しは読み書き出来るようになったけど、長い文章を読むことはまだ出来ない…。


ってか、私とカズキの言葉が通じる事がすごい不思議なんだけど…。



「…あれ」



私は徘徊しまくった挙げ句、ぎっちぎちの本棚の中から一冊の本を取り出した。



茶色い皮表紙でうっすら埃をかぶっていて、何故か題名がどこにも見当たらない本。


軽く埃を払って中を覗いて見ると、何も言葉が書かれていない、絵だけの本。


所謂絵本。












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