セナの冒険




またカズキが口を開いて読み出そうとしたので、それを止め私が読み上げる。



まだカズキよりは、私の方が上手に読める!…と、思う。



「そのころ人間界では、人間と一緒に妖精が暮らしていました。妖精は光の女神さまを見つけると、涙を流しながらお願いをしました。」



隣でカズキもフンフンと頷く。



「『もう人間には付き合い切れません。自然を汚しすぎます。私たち妖精は、綺麗な所でないと生きられません。どうか私たちだけの世界を、創っていただけませんか』。光の女神さまは、少し考えてから、頷きました。『わかった。お前達だけの世界を創ってやろう。ただ、私だけの力では無理だから、他の女神たちも呼ぶ』そう言って女神さま全員を呼び寄せました。」



「フローゼアの喋り方、まんまじゃねーか…!」



「ホントだねぇ…」



ってか、真剣な顔して
コメントすんのそこかい!



と心の中で突っ込みながら、またページをめくった。






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